


【石川県指定 無形民俗文化財】鎌打ち神事(かまうちしんじ)を見学しよう!
毎年8月27日、藤井地区の住吉神社と金丸地区の鎌宮諏訪神社で、石川県指定の無形民俗文化財「鎌打ち神事」が行われます。
鎌宮諏訪神社では古くから、社殿を設けず、タブの木を御神体として祀ってきました。
この鎌打ち神事は、その大木に鎌を打ち込むという伝統的な儀式です。
打ち込まれた鎌は、木の成長とともに内部に埋まり、こぶのようになります。
もともとの神木は老朽化が進んだため、昭和45年からは新たなタブの木が神木とされ、現在もそこに鎌を打ち込む神事が継承されています。
この神事は、諏訪信仰の特色を今に伝える貴重な民俗行事として、昭和35年に町の文化財に、そして平成4年に石川県の無形民俗文化財に指定されました。
鎌を使う意味と神話
鎌宮諏訪神社に祀られている神様は、**建御名方命(たけみなかたのみこと)**です。
風を起こし、また風を鎮めることができる、とても力強い神様とされています。
昔、この地域にあった邑知潟(おうちがた)には、たくさんの大蛇が棲みつき、村人たちを苦しめていたといいます。
建御名方命が鎌を使って大蛇を退治したという言い伝えがあり、それがこの神事に「鎌」が用いられる由来とされています。
「お諏訪祭り」と呼ばれる日
この神事が行われる日、地域では「お諏訪祭り」とも呼ばれ、
「雨が降らねば風が吹く」という言い伝えが残っています。
当日は昼過ぎから祭りの準備が始まり、
しめ縄や御幣(ごへい)を張り、鎌には**稲穂と白木綿(しろゆう)**をつけて、神前に供えられます。
この鎌は、古くから「風切り鎌」とも呼ばれ、屋根の上に置く風習がある地域もあるほど、風を象徴する神具として扱われています。
「左鎌」と「日足鎌」
使用される鎌は「左鎌(ひだりがま)」ですが、これは左右の「左」という意味ではなく、**「日足鎌(ひだりがま)」**と古文書に記されています。
また、「神様が左利きだった」という伝承も残っており、祭祀における鎌の持ち方や扱い方にも影響しているようです。
神職の姿で打つ鎌
かつて、鎌を打つ役は**神職(神主)が務めていましたが、現在では、地域の宮当番(みやとうばん)**である氏子代表が、**神職の衣装と烏帽子(えぼし)**を着用して、神事を執り行っています。
おわりに
「鎌打ち神事」は、自然や風の神への畏敬、農作物の実り、そして地域の安全を祈願する能登ならではの風習です。
歴史あるこの祭りを、ぜひ一度見学してみてはいかがでしょうか。
【開催日時・お問い合わせ先】
開催の確認や神事の内容については、以下の神社へお問い合わせください。
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住吉神社(藤井地区) 2025年8月27日 :10時〜
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鎌宮諏訪神社(金丸地区) 2025年8月27日 :16時〜
※開催時間は変更になる場合があります。お出かけ前に、必ずご確認ください。
<鎌打ち神事 開催情報>
■ 対象
どなたでもご参加いただけます。
■ 定員
なし(申込み不要)
■ 費用
無料
■ 開催場所・時間
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住吉神社(藤井地区)
JR能登部駅から車で約10分
開催時間:10時~ -
鎌宮諏訪神社(金丸地区)
JR金丸駅から徒歩約10分
開催時間:16時~
※開催時間は変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。
■ 所要時間(見学目安)
約40分
■ お問い合わせ
中能登町 企画情報課
〒929-1792 石川県鹿島郡中能登町末坂9部46番地(総務庁舎1階)
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電話:0767-74-2806 FAX:0767-74-1300
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【鎌の宮諏訪神社】